あらすじ


羊はある女に食わせてもらって生きている、所謂ヒモである。女郎屋 そんな羊にも、自分の思い描いている世界を映画にしてみたいという夢がある。
物語は女(佐藤 亜貴子)の「自殺したんやって」という言葉で幕を開ける。女が仕事に行き、羊(芦田 祐之)がそのまま部屋で休んでいると、誰もいないはずの隣の部屋から男と女のじゃれあう声が聞こえてくる。気になって覗いてみると、女が勇次(加茂 大輔)と一緒に居る。部屋に行くと、女は羊に対してまるで他人のような素振りだ。それでも、女から時々意味ありげな視線を感じもするが、結局羊は、勇次の部屋に突如現れた陽太(小崎 泰嗣)に連れられて女郎屋に行く。しかし、今度は陽太の馴染みの「アケミ」として、女は羊の前に現れる。

   けだるい日常風景。
        拭うことのできない倦怠感。
          
タンゴ女がその部屋から逃げるように仕事に行った後、羊はいつもの様に誰の目にも触れることのない物語を描き始める。今考えているのは「村に犯される美しい女」の話である。村で一番美しい「夕」が、美しいが為に今まさに村によって犯されようとしているその時・・・羊の物語はそこで終わっている。そうしているうちに電話のベルが鳴る。羊は姉(長曽我部 蓉子)に呼び出されて、タンゴ喫茶『クンパルシータ』に行く。
羊が姉と会うのは数年ぶりである。姉はとある企業で社長秘書をしていたが華麗に転身、今ではストリッパーをやっているようである。羊とその姉の間には知的障害を持つ兄がいて、今も両親と共に生活している。結局親不孝な二人と親孝行な兄。そんな事を話しながら、重苦しい空気が二人を包んでいく。それを払拭するように姉は羊とタンゴを踊ると言い出す。


そして、徐々に静かな日常が非現実的な世界に覆われていく・・・・
kiss






   


解説 




「昭和の影」を感じさせる重苦しい空気の中、淡々と流れる羊と女の日常風景と、その中で蓄積されていく羊の狂気。その二つの世界のバランスが崩れ、境界線を失った時、物語は加速度的に崩壊していく。
「若者の恋愛」というありがちなネタではあるが、元維新派(劇団)の草壁 カゲロヲ・加茂 大輔や、元ピンク映画の女優長曽我部 蓉子(リング2、修羅雪姫、及びCMなどで活躍中)、現役ミュージシャンの三上 寛(戦場のメリークリスマスにも出演)などの個性豊かなキャスト陣に加え、今人気急上昇中のmama!milk(ego wrappin'などとよく一緒に共演)も音楽で参加した上に、現在ヤングジャンプで『和田ラヂヲの 嫁に来ないか?』を連載中の和田ラヂヲ先生にイメージイラストを描いていただき、より一層広がりのあるものに仕上がっている。
また、この映画は雑誌「映画芸術」の2002年度日本映画ベスト・ワーストにてベスト50位にランクイン。この映画はシネトライブ2002に出品し、その後渋谷のアップリンクファクトリーにて上映。先日大阪のシネヌーヴォで一週間のレイトショー公開も無事終了。現在はアップリンクファクトリーで再度上映中である。 







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